スクールガールストライカーズ SCHOOL GIRL STRIKERS Animation Channel

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03 映像化されて印象的だったシーン

脚本を書かれたお二人から見て、実際に映像化されて印象的だったシーンなど教えてください。

まず思ったのは、「こんなにキャラがたくさんいるのに、全員ちゃんと動いてる!」という事ですかね(笑)。自分達も脚本で書いておきながら、「こんなにいっぱい登場させて大丈夫かな?」なんて勝手な事を思っていたりもしたんですが、きちんと登場させてくれていたので、「監督、お疲れ様です!」と(笑)。

TVでアプリのCMを見た時に、キャラがズラーッと並んでいるビジュアルが印象に残っていたんですよ。なので、あの感じが『スクスト』なんだろうなと。もちろん、毎話数、全てのキャラを網羅することは出来ないですけど、なるべく「あの印象」に近づけたいなという思いはありました。そこは、スタッフにも鞭打ってなるべく実現させようと(笑)。

本当にありがたいです(笑)。僕がアニメで印象的だったのは、やはりゲームでは表現できなかった部分でしょうか。例えばゲームでは戦闘シーンは一人ずつ交代で登場するんですけど、アニメではチーム全員で戦うという描写が可能なので、実際に「うおおお、みんなで力を合わせて戦ってる!」という姿を見れたのは興奮しました!

映像作りでこだわった部分としては、物語の舞台が五次元空間と日常空間ですから、その描き分けをCGを使って表現してみたりしました。ただ、五次元空間と日常空間を完全に描き分けてしまったために、じゃあその「中間点」はどうしよう、なんて問題も生まれてしまいましたが。苦労した事でいえば、石山さんの「4話」の映像化には少し苦労したんですが、それがあったからこそ「6話」ではパロディをふんだんに取り入れてハジケられたという成果もありました。6話はちょうど全体の折り返し地点でもありますし、あそこであの話をやれたことは良かったなと思いますね。スタッフからの反響もすごくありましたし(笑)。

確かに、迷いが消えた感じはありますよね。そういう意味では11話なんかも、普通だとこのタイミングではやらないような話を、あえてもってきたりというチャレンジもしてます。雪山でイエティ探しのエピソードは、ちょっと視聴者の意表を突こうという狙いでした。

04 アニメ化のさいに気をつけたこと

多数のキャラクターが登場するゲームのアニメ化という点で、気をつけられた事などを教えてください。

アルタイル・トルテの5人を主役に据えて描いていくという事は、最初から決まっていました。むしろ、あの5人しか出さないというような案もあったんですが、それはファンも望む事ではないでしょうから、なるべく多くのキャラクターを登場させようと。ゲーム版で最新の追加キャラクターは、タイミング的に難しくて今回はちょっと登場を見送ったんですが…。

確かにアプリ版では、アニメに登場した以外の新チームも実装されていますので、その子たちのファンの方々にとっては、アニメに登場しなかった事は残念だったと思います。物語の構成上、そういう割り切りを選択した事については、申し訳なく思っています。

なるべく多くのキャラクターに見せ場を与えたいとは思うんですが、どうしても均等に描く事は難しい。だからこそ、細かい部分に拘ったりはしています。例えば台詞が無くても「このキャラの隣にはこのキャラが立ってるよね」とか、そういった距離感や関係性には気をつけるようにしています。

シナリオを作る際にも、話数ごとに目立たせるキャラクターのバランスは、もちろん考えました。ファンサービス的な意味合いも大きいんですが、アルタイル・トルテ以外のチームの登場回数は、なるべく偏らないように気を付けましたね。

打ち合わせの時に、監督が「2クールあればなぁ…」と、よくおっしゃってたのを覚えてます。やっぱりこれだけのキャラクター数を描くのに、13話は短すぎたかもしれません。でも、短い中でもトルテ以外の子も…チーム単位ではありますが、それぞれフィーチャー出来たんじゃないかと思います。それでも、やっぱり台詞も少なくて物足りないなぁと思われる方は、WEB予告をぜひチェックして頂ければと! WEB予告では、ほぼ全員登場していますので(笑)。

ただ、WEB予告も石山さんの熱量が入りすぎて、長すぎてカットせざるを得なくなったりしてますけどね(笑)。

30秒で、という話だったので、ストップウォッチで計りながら調整したつもりだったんですけど……くっ!(笑)

実際に収録してみたら、1分を超えちゃったりして…。

ビシビシ、カットしました(笑)。どうしてもついつい「あれもこれも」と、盛ってしまうクセがですね……(笑)

アルタイル・トルテが最初は落ちこぼれ気味なのも、他のチームを活躍させたいという理由があるんですよね。原作でも設定上はそうなんですが、より「新米チーム感」が強くなってると思います。残りチームを全て「先輩」にすることによって、均等にチーム同士の絡みを描いていけるかなと。

4話の脚本を書かせて頂いた時に指摘されて気が付いたことがあるんですが、ビスケット・シリウスの登場シーンって、最初は彼女達だけで会話させていたんです。だけど、アニメから入ってきた視聴者にとっては、それはいきなりすぎると。他のチームの描写も、できるだけトルテのメンバーの視点を絡めて欲しいと。確かに言われてみればその通りだと思いました。

05 手応えを感じたこと

これまでの作業を振り返られて、手応えを感じられている事などありますか?

元々が、色んな要素を詰め込んだ、バラエティ感ある作品にしたいという思いで制作してきた作品なんですが、作っていきながらそれぞれのキャラクターの描き方も徐々に手応えを感じられてきて、それがスタッフの力でフィルムにも結実してきて…。終盤にキャラクターが勢揃いしてくるあたりでは、当初、作ろうと思っていたものがようやく形になってきたなという実感はあるんです。だからこそ、ここで終わるのももったいないという思いも(笑)。続編などがあれば、そのノウハウを活かして、より良いものが描けるんじゃないかなと思ってしまいますね。

今回、色々と個性的な脚本が揃って、個々の話数で面白いネタが集まったんですが、それらを最終話の伏線として拾い上げて繋げられたのは、自分でも上手くやれたなという手応えがありますね。最終回に関する展開なので、このタイミングでは詳しくは話せませんが、「そこが繋がったか!」的なネタを、いくつか仕込んであります。

今回、吉岡さんも忙しい中での執筆作業だったんですが、そういう小ネタの拾い方とか、終盤にかけてキレが増していった感はありますよね(笑)。

「これがプロの脚本家の力か…」と、勉強させてもらいました(笑)。僕は、ずっとゲーム畑の人間で、アニメの現場はこれが初めての体験でしたが、思っていたよりも制作に踏み込ませて頂きました。でもやはりどこか、皆さんの仕事ぶりを…アニメが作られていく過程を傍で見て、ただ感心していた部分もあります。なので、手応えというよりも「足を引っ張っていたらすみません…」といった気持ちが(笑)。

石山さんがいなかったら、現場はもっと混乱してたと思いますよ(笑)。

いえいえ、ややこしい設定のゲームで申し訳ないです(笑)。それに、教室やエテルノの様子といった、アニメで初めて描かれた設定もたくさんあって。「そっか、シャワールームって、こうなってるのか」とか、アニメで見て初めて知りました。

エテルノのプリズムルームはゲーム内でも描写はあったんですけど、その他の施設についてはゲームでは特に触れられてませんでしたからね。そのあたりも、かなり話し合いましたよね。

『スクールガールストライカーズ』というタイトルでありながら、ゲームでは「スクールライフ」の描写がありませんからね(笑)。ずっとみんなエテルノにいますから。なのでアニメで、学園生活や戦闘以外の日常が描かれた事で、作品世界に広がりが与えられたのは良かったと思います。彼女達も、ちゃんと普通の学生なんだなと。